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防災とオーラルケア



12月1日は防災用品点検の日です。
日本は地震や台風など自然災害の多い国ですから、万が一に備えてきちんと防災用品を揃えておきたいものですよね。
その際は口腔ケア用品も忘れず用意しましょう。
災害時には口腔ケアは後回しになりがちですが、健康への影響を考えると災害時こそ、できる範囲でしっかりと口腔ケアをすべきなのです。



災害時の口腔ケアの重要性

口腔ケアは歯や口内の健康のためであるのはもちろん、全身の健康にも大きく関係しています。
災害時に十分な口腔ケアが行えず起こる問題として特に大きいのは「誤嚥性肺炎」です。
誤嚥、つまり食べ物や飲み物などが間違って気管へと入ってしまうことで引き起こされる肺炎ですが、単に食べ物などが気管に入るだけではなく、同時に口内の細菌も気管に入ります。
この細菌が気管から肺へと運ばれ、肺炎を起こします。
特に咀嚼や嚥下などの機能が衰えた高齢者に起こりやすい誤嚥性肺炎ですが、災害時に十分な口腔ケアができないと口内の細菌が増え、誤嚥性肺炎のリスクも高くなります。
実際、1995年の阪神淡路大震災では災害関連死の4分の1が誤嚥性肺炎でしたし、2011年の東日本大震災でも震災後に肺炎患者が増加し、災害関連死の死因の最多は肺炎でした。
また口内環境が悪化すると風邪やインフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなります。
さらに糖尿病や高血圧は歯周病と密接な関係があると言われていますが、口腔ケアが不十分なままでは歯周病が悪化し、それに伴って糖尿病や高血圧も悪化する恐れがあります。
災害時には病気にもすぐには対応できないかもしれません。
健康におけるリスクをなるべく減らすためにも、災害時こそしっかり口腔ケアをしなければならないのです。


いつもの歯磨きが出来ない時は

ただ災害時は普段通りの歯磨きができない可能性ももちろんありますよね。
そんな場合はどうすれば良いのでしょうか。
「少しだけなら水も使える」という状況であれば、30ml程度の水をコップに入れ、その水で濡らした歯ブラシを使って歯を磨きましょう。
歯ブラシの汚れはウェットティッシュなどを使って適宜拭き取り、磨き終わったらコップの水を数回に分けて口に含んでうがいをします。
もし歯ブラシも水もないという状況であれば、指にティッシュやハンカチなどを巻き、汚れを取るように歯を拭いましょう。
また唾液には口内の洗浄効果がありますので、ガムを食べたり、あごの付け根あたりをマッサージするなどして唾液の分泌を促すこともおすすめです。
食後にお茶などを飲む際は、口内の汚れを洗い流すように意識することも効果的ですよ。



防災グッズにオーラルケア用品も準備しましょう

防災グッズとしては用意すべきオーラルケア用品としては、まずは歯ブラシですね。
液体歯磨き(デンタルリンス)や洗口液(マウスウォッシュ)、デンタルフロスなどもあると便利です。
最近は指に巻いて使う歯磨きシートも販売されていますので、歯ブラシを使った歯磨きができない場合を想定して用意しておいてもいいかもしれませんね。
ノンアルコールタイプのウェットティッシュでもかまいません。
シリコン製の折り畳み式コップなど、割れる心配もなくかさばりにくいコップもあると歯磨きやうがいの時に助かります。
また液体歯磨きなどを用意する場合、食料や水と同じようにローリングストックにすればいつの間に使用期限が切れていたなんてことも防げます。
オーラルケア用品をはじめ、防災グッズはしっかりと準備しておきたいですね。

歯科衛生士も、災害の際は口腔ケアに関する知識や技術を活かした様々な支援を行っています。
口腔ケアの専門家である歯科衛生士は国家資格であり、専門学校などの養成校での3年以上の学習も義務付けられています。
養成校は全国各地にありますが、近畿圏内の学校をお探しでしたらなにわ歯科衛生専門学校がおすすめですね。
本校では最新の機器を使った実践的な実習を重視したカリキュラムを通し、現場で即戦力として活躍できる歯科衛生士を目指します。
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