歯科衛生士の資格取得は難しい?簡単?難易度について
2020年07月01日
歯科衛生士の資格を取りたいと思っているけれど、本当に自分でも合格できるのかと悩んでいる人もいるでしょう。国家試験に合格するのはとても大変という印象を持ちがちですが、実態はどうなのでしょうか。歯科衛生士の資格取得の難易度がどのくらいなのかを紹介するので、合格を目指して勉強に取り組むべきかを考えてみましょう。
歯科衛生士国家試験の合格率
歯科衛生士国家試験は毎年1回実施されていて、受験資格を持っている人ならたとえ不合格になったとしても翌年に受験することができます。試験は筆記試験になっていて、基準以上の点数を取得していれば合格になって免許を申請できるようになる仕組みになっています。歯科衛生士になるのが難しいかもしれないと思っている人にとっては、受験した人のうちどのくらいが合格しているかが気になるでしょう。平成29年に実施された歯科衛生士国家試験では合格率は93.3%でした。この回の受験者数は7,218人、合格者数は6,737人で大半の人が合格していることがわかります。近年の傾向としては95%前後を推移していて、平成17年から平成29年の平均値では合格率が約95.7%です。
このような状況を考えると歯科衛生士国家試験は合格するのがそれほど難しくはないと考えられるでしょう。ただし、気を付けなければならないのは誰でも気軽に試験を受けられる仕組みではないということです。前述のように歯科衛生士国家試験には受験資格が設定されています。その基準を満たしていて、きちんと勉強をしてきた人なら大半の人が歯科衛生士国家試験に合格できると考えた方が良いでしょう。
歯科衛生士の勉強は難しい?
国家試験の合格率が高いのはわかったけれど、受験資格の取得や、試験対策のための勉強は難しいのかと気になってしまう人も多いでしょう。受験資格や国家試験の内容などについてもう少し詳しく見てみると実態がわかります。まず、受験資格を得るためには文部科学大臣の指定した歯科衛生士学校、または都道府県知事の指定した歯科衛生士養成所を卒業することが必要になるのが一般的です。歯科衛生士学校や歯科衛生士養成所はしばしば養成機関と呼ばれて一括りにされています。どちらに通った場合にも3年間以上のカリキュラムをこなして単位を取得し、卒業を認めてもらうことが求められます。
育成機関では座学による知識の習得だけでなく、技術も学ぶことが必要になり、実習についても課されるのが特徴です。大変に聞こえてしまうかもしれませんが、指定養成機関は歯科衛生士を生み出すための教育機関なので学ぶ姿勢さえあればきっと単位を全て取得して卒業できるでしょう。学ぶ内容としては人体の構造と機能、歯と口腔の構造と機能などの生物学的、解剖学的内容や、歯科衛生士概論や臨床歯科医学のような歯科衛生士に求められる専門的な内容が主なものです。また、予防や保健指導が重視される世の中になっている影響もあり、歯科予防処置論や歯科保健指導論並びに歯科診療補助論も内容として盛り込まれています。このような専門的な知識と技術の習得を効率良く行えるようになっているのが養成機関の特徴です。
国家試験ではこのカリキュラムに基づいた問題が出題されています。例年の傾向としては合計220問の問題があって、60%に相当する132問以上が正解なら合格と判定されます。絶対評価によって合否が決まる仕組みになっているため、他にどれだけ優秀な人が受験していたとしても自分がきちんと合格点を取ることができれば合格できます。相対評価によって合否が判定される高校受験や大学受験とは異なる点なので注意しましょう。また、歯科衛生士国家試験では面接や小論文、技術試験などは一切なく、筆記試験のみで判定される仕組みになっています。問題演習を通して知識や思考力を身につけるだけで対策できるので勉強をしやすいのは確かでしょう。
ただ、問題が決して簡単だというわけではありません。指定養成機関で勉強して卒業できる力があれば特に対策をせずに合格できる試験だというわけではないので注意しましょう。きちんと出題範囲について隈なく勉強し、出題の傾向をつかんで対策を立てることは合格率を上げるためには欠かせません。自分で勉強をすることも大切ですが、通っている学校できちんと試験対策をしてくれれば安心して試験に挑めます。どの養成機関で学ぶかを考えるときには、受験対策を徹底して行ってくれるサポート体制がある学校を選び、勉強や合格の難易度を下げるための工夫をしましょう。