歯科衛生士発祥の地アメリカと日本の歯科衛生士の違いって?
2020年08月19日
患者さんの歯や口の健康を守るために重要な役割を果たしている「歯科衛生士」。
歯科衛生士はクリニックや病院、保健所や企業など、さまざまな勤務場所で働いており、多彩な場面で活躍している職業です。
そんな歯科衛生士ですが、日本だけでなくアメリカにも同じ職業があります。
しかし、同じ職業でも日本の歯科衛生士とアメリカの歯科衛生士ではどのような違いがあるのか、知っている人は意外と少ないです。
そこで今回は、日本とアメリカの歯科衛生士の違いについて、お話ししたいと思います。
歯科衛生士はアメリカが発祥
歯科衛生士は、今では日本国内で一般的な職業として認められていますが、もともとはアメリカが発祥の職業です。
1913年にアメリカで歯科衛生士という資格が誕生し、1919年にアメリカに留学していた歯科医師が日本に伝えたことがきっかけとなり、日本に歯科衛生士という職業が普及しました。
当時は「歯科衛生婦」という民間資格として人材育成されていましたが、実際のところ歯科医師が歯科衛生士業務を行っているケースが多く、あまりニーズの高い職業ではなかったようです。
終戦後になると日本の公衆衛生が問題となり、保健所業務に「歯科衛生」が導入され、虫歯予防に関する知識や技術を国民に広めるようになりました。
これがきっかけで、1948年に歯科衛生士が国家資格として認められるようになったのです。
アメリカと日本の歯科衛生士を比較
歯科衛生士は日本でもアメリカでも国家資格として認められています。
歯科衛生士の国家試験は、日本では95%前後の合格率であるのに対し、アメリカは75%ほどと日本よりも取得するハードルが高い資格となっています。
国家試験では日本では実技試験がありませんが、アメリカでは実技試験も行われており、このことが合格率に影響を与えている可能性があります。
歯科衛生士の仕事の内容は、アメリカの歯科衛生士の方が日本の歯科衛生士よりもできることが多いです。
日本の歯科衛生士は器具や薬品を使用しての虫歯や歯周病の予防処置など、自ら処置を行うこともありますが、基本的には歯科医師の指示に基づいて業務を進めていきます。
それに対してアメリカの歯科衛生士は、歯科医師の指示がなくてもレントゲン撮影や局所麻酔、歯周病の診断などを行うことができ、日本の歯科衛生士と比べて独立した働き方ができるのが特徴です。
また、日本では器具の準備など、歯科治療に必要な物品や機材のセッティングを歯科衛生士が行います。
一方アメリカでは、器具の準備などは歯科助手の仕事で、歯科衛生士は歯科衛生士としての仕事に専念できるようになっています。
持っている資格ごとに役割分担がはっきりしており、それぞれの業務に専念できるのがアメリカの歯科治療の特徴だと言えます。
さらに日本では、歯科衛生士の資格取得者のうち実際に働いているのは3割ほどだと言われています。
それに対してアメリカでは、資格取得者ほぼ全員が歯科衛生士として働いているのです。
このように同じ歯科衛生士でも、思っている以上に国による違いがあるようですね!
アメリカで歯科衛生士になるためには
アメリカで歯科衛生士になるためには、学校で1年間の一般教養を学ばなければなりません。
2年目から歯科衛生士科に進みますが、定員があるため成績優秀者でなければ歯科衛生士を目指せなくなります。
実習では課題に適した症例の患者さんを自分で見つけ、細かく問診や検査を行わなければならないので、拘束時間が長くなります。
国家試験では筆記試験だけでなく実技試験もあり、必要に応じて麻酔に関する試験にも合格しなければならないので、歯科衛生士になるまでの道のりはとても険しいです。
日本で歯科衛生士になるには
日本で歯科衛生士になるためには、国が指定する養成機関で3年以上学び、さらに国家試験に合格する必要があります。
アメリカよりも国家試験の合格率は高いですが、しっかりと対策をしておかなければ思ったような結果が出せない場合もあるので、気を引き締めて臨む必要があります。
ライフスタイルに合わせた資格取得方法を選べるのも特徴で、社会人でも歯科衛生士を目指せる夜間部を併設した学校があるのも特徴です。
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アメリカのロサンゼルスで行う海外研修では、今回ご紹介した日米の歯科衛生士の違いを体感することができるでしょう。
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